西洋医学では治療できない、西洋医学は症状を抑える対症療法にすぎない・・・試行錯誤の果てに、いきついた結論だった。
西洋がダメなら東洋と 漢方薬、指圧、お灸など試した。しかし、東洋医学は五十の手習いには難しすぎた。
それでは民間療法と、自然食、健康食品、健康機器・・・いいと言われれば手当たり次第に何でも試した。素人の手習いの悲しさか、どれも私たち一家を地獄から救う手立てにはならなかった。
どれもが決定打にはならなかったが、そこから出た結論は、病気を治し、健康を創るということは、医者でも薬でも健康食品でも健康機器でもないということだった。
では、なにが治すのか。
それは誰もが生れながらにもっている「自然治癒力」なのである。
自然治癒力とは、もっと簡単にいうと、体力である。そしてこの体力のもとになるのが、血液であり、体液なのである。
この血液・体液がきれいで力があり、しかもサラサラしている人が、自然治癒力の高い人なのである。
自然治癒力とは、たとえば一軒の家の中に五人の家族がいて、そのうちの一人が風邪のウイルスを持ちこんだとする。そのとき風邪をひかない人が自然治癒力の高い人、すなわち体力のある人、ということになる。
この自然治癒力の高い人が、いくつになっても健康なのである。
健康な体というのは、なにもプロレスラーなどのような筋骨隆々たる体を意味しているわけではない。外面ではなく内面、すなわち体は小さくても内臓が丈夫で、いくら働いても疲れない。たとえ疲れても一晩眠れば、翌日はケロッとして働くことができる。そういう体をいうのである。そういう人こそ、自然治癒力のレベルが高い体であるということができる。
対症療法では生活習慣病は治せない
いま日本は、世界史上でもかつて例のないほど急速な勢いで高齢化社会に突入している。長寿それ自体は決して悪いことではない。ただそれには条件がある……。その条件とは「心身ともに健康」ということである。寝たきり老人となって、家族にすら疎んじられながら生きていることは、死ぬことよりも辛い。人は元気なときには健康の有り難さがわからない。病気になって初めて、いかに健康が大事なものかを悟るのである。
私のように家族が難病や重い病気になり、自分自身も重い糖尿病で苦しんだ体験をした者には、そのことが嫌というほどわかる。その痛みが私をこうして、この医療の世界に導いたといっても過言ではない。
現在の慢性疾患といわれる生活習慣病には、現代医学はほとんど無力だ。その証拠に、これらの生活習慣病は、毎年数多くの新薬や治療法が発見されているにもかかわらず、いっこうに患者の数が減らない。いや減るどころかむしろ増加の一途をたどっている。
しかも、いまや大人だけでなく、子供にまで糖尿病や高血圧という病気が現われている。