脳の治療をするときに大事なことは、頸・肩のこりをとるということである。頸肩のこりをとらないで治療器を頭にかけると、頭がガンガンしたり、重くなったり、痛くなることがある。
なぜそうなるかというと、頭にかけると、脳の血液の流れがよくなる。そのとき頸・肩がこっていると、心臓から流れてきた血液が、頸・肩で滞留してしまい頭にスムーズに流れないからである。
ついでにいっておくが、頸・肩のこりというのは、諸病万病の引き金になる。脳の病気もそうであるが、眼でも鼻でも耳でも歯でも、頭の部分に流れる血液を阻害するのは、すべからく頸・肩のこりである。
頸・肩のこりは、自分の中指で押してみるとよくわかる。押して痛い人はこっている。
よく自分では肩こりはないという人がいるが、押して痛い人はこっていると思って間違いない。
そんな人は、まず頸・肩のこりをとる。
まず治療器を横にして、バスタオルか何かをかけて、肩が当たるようにして寝る。そして三〇分なり一時間、タイマーをかける。それでもとれなければ、もう一度かけてやる。連続でかけても大丈夫なので、そうやって肩のこりを先にとってから頭にかけると効果がより高まるのである。
現在の医療は、自律神経失調症と診断すると、単に精神安定剤を飲ませることで済まそうとする場合が多い。安定剤を飲むと、頭がぼやっとし、頭がぼやっとすれば、何にも考えないから精神が安定するだろうというのが今の治療法の考え方なのである。
しかし、それは間違いで、頭が冴えてくればこそ精神も安定するのである。
頭が明断さを失えば、身体は動かなくなる。常識で考えても頭がボンヤリしていいはずがない。第一、寝起きは悪くなるし、身体を動かすことも億劫になる。ただゴロゴロうたた寝しているような状態が、はたして健康といえるのだろうか。
まず頭の状態をきちんとしてやることによって精神も安定するということをぜひ知っておいて欲しい。