交流磁気治療を中心に、食事や毎日の生活習慣、心のあり方などを含めて、総合的な健康創りをシリーズで考えています。日下医院の院長、日下史章先生にいく つか関心の高い症例を取り上げ、健康や医療を見つめ直していきたいと思います。今回は「便秘」について、お話しいただきました。

 ■日下史章(くさかちかあき)
昭和16年神奈川県生まれ。東京医科大学を卒業後、東京警察病院外科に入局。5年間勤務したのち、日下医院を開設した。平成2年に磁気医学物理療法研究所 を併設。8年には「帯状疱疹後神経痛(PHN)に対するパルス磁気療法及び全身性交流磁気治療の試み」で、医学博士号を取得している。

| 便秘

便秘は図へ示したように、急性と慢性の二つに、大きく分けることができます。
急性にはストレスなどが原因で一時的な単純性便秘と、
腸閉塞や腸ねん転による症候性便秘があります。
一方、慢性の場合は腸の機能低下によって起こる常習性便秘と、
病気が原因の症候性便秘に分かれます。
今回は最も多い、常習性便秘を中心に説明しますが、
最初に注意しておきたいのは、
大腸ガンやポリープなどが引き起こす症候性便秘です。


便秘といっても、背後に大きな病気が隠れている可能性があります。
とくに年配の方は、定期的に腸の中を見てもらった方がいいでしょう。
便秘は排出すべき毒素を体に貯める訳ですから、さまざまな病気の原因になります。
また、病気になったのを示している場合もあるので、
原因を特定しなければならないことを十分に認識してください。

最も多い常習性便秘は、さらに3つのタイプに分かれます。

一つ目は結腸性便秘と呼ばれるもので、腸の緊張が緩み、
腸管の蠕動運動が弱いため、便を送り出せなくなります。
高齢者や疾病による虚弱体質、出産したあとの女性など、
腹筋の力が弱っている人に多くみられます。

二つ目は直腸性便秘です。トイレに行く時間がなかったり、
我慢しているうちに便意を感じなくなり、やがて慢性の便秘になってしまいます。
以前、痔のときに説明しましたが、痛みで我慢しているうちに便秘になるのも、
このタイプです。

肛門に近い直腸に硬い便が詰まり、フタをするようになっています。
三つ目のけいれん性便秘は、ストレスなどで自律神経が乱れ、
逆に腸の蠕動運動が強くなり過ぎることによって生じます。

腸がくびれるため、ウサギの糞のようにコロコロとした便になるのが特徴です。

| 便秘

毎日、排便がないと便秘と思いがちで、すぐに病院に来られる方がいます。
実際には2~3日に1回でも、規則正しく排便があれば便秘ではありません。
5日以上お通じがなく、便が硬くて出にくいのを、便秘とみなします。
逆に排便は毎日あっても、便が残っている感じがしたり、
お腹が張っている場合は、便秘と考えます。
回数だけで判断はできないので、その点を注意してください。

口から入った食べ物は、栄養分を吸収したのち、
通常30~120時間で便として排出されます。
大腸の中で、便がどのような状態にあるのかを、図に示しました。
小腸から入ってくるときは、ほとんど液体です。
上行結腸から横行結腸を通る間、少しずつ吸収され、
下行結腸でようやく固形化してきます。

最後に直腸まで達すると、腸壁が刺激され、
便が到着したのを大脳に知らせます。
これによって私たちは便意を感じるのですが、
脳への伝達の仕組みを担っているのは、内臓の間に張り巡らされた自律神経の働きです。
常習性便秘の場合は、まず自律神経の失調が、症状の根底にあると考えなければなりません。
つまり便秘を改善するためには、腸の働きだけでなく、
自律神経のバランスを整えることが出発点になります。

便秘と下痢は、反対の症状だと思っている人がいます。
これは誤解で、むしろ表裏一体の関係です。先の図で説明すると、
下行結腸で固形化する前の便が、そのまま排泄されるのを下痢と言います。
通便異常という点は同じであり、一つの原因で二つの症状を繰り返すことがあります。
下痢していても、実は便秘ということもあるので、この点も注意が必要です。

ストレスが原因で便秘と下痢を繰り返す、過敏性腸症候群という病気もあります。
増加の一途をたどり、今では国民の20%が予備軍と言われます。

もう一つ捕捉しておくと、女性の便秘は、ホルモンの働きとも関係しています。
排卵から月経までの間は、黄体ホルモンの分泌が活発になり、

大腸の蠕動運動が抑制されるのです。
女性と老人は、宿命的に便秘を背負っていると、考えた方がいいでしょう。

先ほど述べたように、便秘は自律神経の働きと密接に関わっています。
交流磁気治療器の自律神経調整作用が有効に働き、
常習性便秘の改善にはうってつけの、理想的な治療法と言えるでしょう。

交流磁気をかけることにより、まずは内臓の自律神経が調整され、
消化管の蠕動運動が正常化します。
これにより、腸管粘膜の微小な血液循環が促進され、水分と栄養の吸収、
排泄などの機能を改善し、排便が規則正しくなるよう導いてくれます。

交流磁気治療器に寝てもらうと、お腹がグルグルといいはじめ、
腸がすぐに動き出すのが分かります。
お腹の運動が活発になると、ついついオナラが出てしまうのも珍しくありません。
当院では隣の人のオナラが臭く、寝ていられないと怒りだし、
喧嘩になった笑い話もあります。
加えて交流磁気治療は、ホルモンバランスも整えてくれるため、
女性に喜ばれる治療法と言えるでしょう。

便秘の治療で、すぐ薬に頼ろうとする人もいますが、
あくまで最後の手段と考えてください。
薬は必ず量が増えていきますし、長く飲んでいると、
腸の粘膜がただれて出血することもあります。
薬を飲まないと便が出なくなる悪循環を避けるためにも、
一に生活習慣、
ニに食事、
そして交流磁気治療のような、
体に負担をかけない治療から始めてください。

| 便秘

便秘と食事については様々なところで指摘されているので、
今回は生活全般で気を付ける点を説明しておきましょう。
規則正しい生活のリズムを基本に、
まずは朝起きて、一杯の水を飲むのが、昔から効果的と言われます。
腸を刺激するために塩を入れたり、お湯に蜂蜜を混ぜるといった方法もあります。
便意を誘引するためにも、朝食は必ずとるようにしてください。

私がよく患者さんに指導するのは、お腹のマッサージです。
大腸の図を示しましたが、これに沿って時計回りに、
手の平で撫でるように刺激します。
腹筋を鍛えることも重要です。
とくに筋力が衰える老人の方は意識して取り組む必要があるでしょう。
寝たままの姿勢で膝を伸ばし、かかとを30センチほど持ち上げます。
はじめは10秒くらいで少しずつ時間を延ばし、3回くらい繰り返します。
これも朝起きてから、毎日続けるのが効果的です。

最後に運動ですが、足を使わないと腸は動きません。
最も簡単にできるのは散歩です。
朝食の前に軽く散歩すると、食欲もわいてきます。
規則正しいお通じには、まず朝の生活習慣から見直すことです。

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