「痛みの専門家」として名高い仲野義康先生につらい「痛風」ついて語っていただきました。

 ■仲野義康(なかのよしやす)
昭和14年横須賀に生まれる。昭和39年三重大学医学部卒業・三重大学病院胸部外科入局。その後、東京白十字病院・北里大学病院麻酔科・国立療養所神奈川病院、麻酔科医長・横浜桐峰会病院を経て、昭和60年仲野医院開業。現在に至る。

| 痛風

痛風は関節に析出した尿酸結晶による炎症で、発熱を伴った激しい痛みを訴えます。 その名の通り風が吹いても痛むと言われ、自力で歩けず、 松葉杖をついて来院した患者さんもいました。 最初は足の親指の第二関節に発症する場合が多く、忘れた頃に再発しやすいのも特徴です。 痛みがとれたら治ったと錯覚しますが、痛風が起こる状態を作ってやれば、何度でも繰り返します。
血清尿酸値が8mg/dlを超えると高尿酸血症とされ、 放置しておくと痛風発作の原因になると言われます。 もう一つ高尿酸血症で気を付けて欲しいのが腎臓です。 尿酸の結晶化が尿管で起こると、こちらも激痛を伴う尿路結石症になります。 尿の流れが妨げられれば水腎症が起こったり、腎臓に尿酸が蓄積されると 痛風腎と呼ばれる慢性腎炎のようになって、悪化すれば透析が必要な腎不全にまで至ります。 さらに糖尿病や高脂血症、高血圧といった生活習慣病と併発しやすく、 代謝異常で動脈硬化を進行し、心臓疾患や脳血管疾患の危険因子にもなります。

 このように痛風をはじめ、様々な疾病を誘発する尿酸は、簡単に言えば細胞の残りカスのことです。 細胞の中にある核酸という遺伝物質が分解してできたもので、新陳代謝により細胞が分解されたり、 エネルギーを使うと燃えカスとして、体内で尿酸が作られます。 何らかの原因で尿酸が過剰に生成されるか、腎臓での排泄がうまくいかなくなって 正常なバランスを崩すと、体内で尿酸が溶けきらず、その結晶が関節や臓器に付着します。 こうした高尿酸血症の代表的な疾病が痛風であり、 先述したように様々な合併症に注意しなければなりません。

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痛風の原因としては、
①アルコールの飲み過ぎ、
②激しい筋肉運動、
③ストレス…
などがあげられます。
生活習慣病と併発しやすいことから分かるように、
食べ過ぎや肥満が良くないのは言うまでもありません。
かつては男性が圧倒的に多い疾患でしたが、
社会進出に伴い女性の患者さんも増えてきました。
女性ホルモンに尿酸の排泄を促す作用はありますが、飲酒や喫煙、職場でのストレスなど、
男性と同じような環境に置かれれば、高尿酸血症になるのも無理はありません。

アルコールは尿酸の産出を促すと同時に、排泄も抑制するので、
痛風には最も良くないと言えるでしょう。
適量にとどめるのはもちろんですが、水をしっかりと飲んで、腎臓などに蓄積しないよう、
常に体を洗い流さなければなりません。
ところが、水分をとる代わりに食べ続けたり、酔ってそのまま寝てしまう人が多いのです。
これでは尿酸が体内に留まっても仕方ありません。
何よりも水で洗い流すことが、痛風の予防で重要になってきます。

二つ目の激しい運動は、先ほど解説した尿酸がどのように作られるかを理解すれば、
お分かりいただけるでしょう。
エネルギーをたくさん使い、細胞を破壊するため、尿酸を大量に発生させます。
短距離走のような無酸素運動、短時間に筋肉を酷使する激しい運動は好ましくありません。
肥満解消のためにも、水泳やジョギングといった軽い有酸素運動を、
定期的に行うよう心掛けてください。
じわっと汗が出るため、効果的に水分を補給でき、体の正常な循環を保ってくれます。

最後のストレスは、これまでに解説した様々な病気や痛みで、
繰り返し登場してきました。解消法は以前に述べましたが、
ストレスは様々な循環を阻害する要因になります。
ここまでの説明で分かるように、痛風は水や血液をはじめとした
循環が悪くなることによって起こる痛みですから、
ストレスによる悪影響を大きく受けてしまいます。
これら3つの要素が複合的に重なれば、尿酸の合成はさらに増加していくでしょう。

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痛風の治療は、以上のような原因を生活習慣の中から取り除くとともに、
①尿酸の産生を抑える、
②尿酸の排泄を促す、
③尿を酸性からアルカリ性に変える…
といった薬物療法を、症状に応じて組み合わせます。
③の薬は最初に腎臓との関わりで述べたように、尿路結石などを防ぐためです。
尿をアルカリ性に変えるのはグァバ茶などもあり、水分も補給できるので痛風にはお勧めです。
注意しなければならないのは、痛風と間違いやすい病気です。
例えば慢性関節リウマチや変形性関節症、偽痛風(軟骨石灰化症)と呼ばれる病気もあります。
自己診断で決め付けないで、必ず病院で診てもらうようにしてください。

当院では様々な疾病に交流磁気治療器を使っていますが、
痛風は最も効果が出ているものの一つです。
いろいろな治療法を試してみましたが、結論としては交流磁気治療が最も適していると思います。
これは医者の言葉というよりも、数々の症例を通して、患者さんが教えてくれたことです。
中には「先生、また痛くなりました」と言って、交流磁気治療器に足をのせにくる患者さんもいます。

先述したように、痛風の発作が起こるのは関節の循環が悪くなることですから、
交流磁気の性質や作用にぴったり合っているのだと思います。
しかも当院の症例では、何日も治療に通い続ける必要はなく、即効性が高いのも
患者さんに喜ばれる理由になっています。

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以前は痛風と食事の関わりで、プリン体を多く含む肉類や卵、
トロ、イクラといった魚介類の摂取を制限するよう指導していました。
プリン体とは、細胞にある核酸を構成する成分の一つです。
先述したように核酸が分解されると尿酸になる訳ですから、もっともらしく聞こえますが、
最近の研究では痛風への関与はほとんどないと証明されています。

私自身は、プリン体を積極的に摂るべきだと思います。
核酸は第三の栄養素と言っていいほど大切で、アンチエイジング効果も高いのです。
核酸は肝臓で作られていますが、これがなければ新しい細胞を作れません。
実際に私は、プリン体を豊富に含む小魚やアミを意識的に食べるようにしています。

頭から尻尾まで丸ごと食べるのが、最も良い食事だと思います。
それで生きているのですから、必要な栄養素やミネラルをバランスよく含んでいます。
とくに小魚やアミのように、たくさん湧いてくるものは、
原始的な細胞に近くプリン体が豊富です。

こうしたものを摂っても、良い水をしっかり飲んで尿酸を排出すれば、
痛風の心配はありません。
体の排泄に関わっているのは、ほとんどが水を介したものであり、
その重要性を再認識すべきでしょう。
しっかりと体を動かし、しっかりと水を飲んで、いつも体をきれいに洗い流してください。

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個人情報に関して適用される法令を遵守しています。喜びの体験談はご本人の同意の上採用させていただいておりますが、万全を期して個人を特定できないように仮名にて掲載させていただいております。個人の感想です。

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「磁気治療が好き!ー心にも体にも優しい免疫も高まるエネルギー療法」
日下史章先生 上村晋一先生著
永野剛造先生 要明雄先生 川本和久先生にもご協力いただきました。
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