日下医院の院長 日下史章先生に、今回は「婦人病」について、お話しいただきました。

■日下史章(くさかちかあき)
昭和16年神奈川県生まれ。東京医科大学を卒業後、東京警察病院外科に入局。5年間勤務したのち、日下医院を開設した。平成2年に磁気医学物理療法研究所を併設。8年には「帯状疱疹後神経痛(PHN)に対するパルス磁気療法及び全身性交流磁気治療の試み」で、医学博士号を取得している。

毎日の診療で、慢性的な腰痛や肩こりを訴えている女性の中に、
月経異常や子宮筋腫が原因となっていることは少なくありません。
とくに多忙な仕事や、複雑な人間関係からくるストレスに晒されている女性ほど、
こうした症状になる場合が多いと感じます。
今回は代表的な婦人科疾患である、月経異常と子宮筋腫についてお話しいたします。

月経異常にも様々なタイプがありますが、いわゆる成人女性の無月経に的を絞りましょう。
月経の仕組みは非常に複雑で、いろんな臓器が関与しています。
まず大脳の視床下部から下垂体へ働きかけ、
そこから性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)を分泌、
さらに子宮や卵巣などを総動員して月経が起こっているのです。
ところが何らかの原因で、ホルモン中枢の視床下部にブレーキがかかり、
ゴナドトロピンが十分に分泌されなくなると、無排卵周期症や無月経になってしまいます。

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日常生活の中で、ホルモン中枢に異常をきたす原因はたくさんあります。
視床下部は大脳皮質とも関わり、もともとストレスの影響を受けやすいところです。
例えば、海外赴任による環境の変化、身内の不幸によるショック、
職場の対人関係などが無月経の原因にあげられます。
戦争中には無月経になる女性が増えると言われ、こうした視床下部性の無月経、
とくにストレス性のものが、診療している中では最も多いと思います。

このほかにも、無理なダイエットによる体重減少性の無月経や、
過食症などと関連した食行動の異常による無月経もあります。
最近はOA機器をたくさん使うため、夏場になるとオフィスの中を冷やし過ぎています。
これも女性のホルモンバランスを狂わせてしまう原因の一つです。

良性の腫瘍である筋肉のコブが、子宮のさまざま場所と層にできるのが子宮筋腫です。
90%以上は、子宮の上3分の2にできる体部筋腫と呼ばれるもので、
下にできる頸部筋腫は5〜10%と言われます。
また、一つだけできる単発性、複数できる多発性の筋腫にも分けられ、
こちらは圧倒的に多発性の方が多くなっています。
腰の痛みや下半身のしびれなどを訴えて当院に来られ、
子宮筋腫が分かるというケースもあります。
最も多い婦人科の病気と言われながら、なぜ筋腫ができるのか、
はっきりとした発生の仕組みは分かっていません。

かつては中年女性の婦人病と言われていましたが、最近では若い人にも多く、
30〜40代の4〜5人にひとりは、筋腫を持っていると言われます。
その理由は、少子化や晩婚化といったライフスタイルの変化です。

昔の女性は20歳ごろから次々と子供を産み、
10年以上、月経がないことも珍しくありませんでした。
筋腫は女性ホルモンによって成長することが分かっています。
結婚が遅く子供も少ない現代の女性は、昔に比べて10倍の月経数があると言われ、
女性ホルモンが働く期間が長いことから、筋腫が大きく育ちやすい環境にあるのです。

女性に多い便秘も、子宮筋腫には良くないと言われます。
また、頭痛や腰痛などを伴うため、つい痛み止めの薬を飲んでしまい、
それが原因で余計に、崩れたホルモンバランスへ悪影響を与えることもあります。
さらに喫煙や飲酒、不規則な生活も、筋腫を誘発する原因と言えるでしょう。

月経異常や子宮筋腫の患者さんに接したときは、
婦人科でホルモン療法や手術療法などを行う前に、
健康的なライフタイルへの改善を指導しています。
それと同時に漢方薬や電気鍼、交流磁気治療器を使って
自律神経のバランスを調整することにより、当院では顕著な効果をあげてきました。
全身性の交流磁気治療は、
頭部の視床下部、下垂体そして卵巣など月経のホルモン分泌に関わる部分を全て刺激し、
機能が正常化する働きを助けてくれます。

全身療法ではなくても、もう少し手軽な方法もあります。
携帯型の交流磁気治療器を下腹部にかければ、2〜3カ月と比較的早い期間で、
回復するケースがたくさんあります。
とくに携帯型は、夏場のクーラーなどで冷えた体を、じっくり温めるのに効果的です。
定期的に通院することが難しい患者さんには、就寝時に携帯型の交流磁気治療器を使ってもらうことで、
大変良い効果をあげてきました。
なぜ、下腹部に交流磁気をあてると効果が出るのでしょうか。
関元や気海といった婦人病に効くツボは、下腹部に集中しています。
携帯型の交流磁気治療器が効果をあげる理由は、体と密着して使えること、
交流磁気が直接これら全てのツボに作用すること、
さらに治療器の温熱効果で下腹部を温めてくれるからです。
体を温めるというのは、多くの慢性疾患に効果があります。
太古の昔は、焚き火の中に石を入れ、温まった石をお腹に抱いて治療したと言われます。
それと同じような作用が、携帯型の交流磁気治療器にはあるのだと思います。

血液循環が良く、生き生きとした場所に不健康な細胞は育ちません。
東洋医学で言う 血(血液循環不全)のようなところほど、筋腫はできやすいのです。
交流磁気治療器によって子宮および筋腫の血流を改善して 血をとることが、
筋腫の成長を抑えることにつながるでしょう。

代表的な月経異常と子宮筋腫を中心にお話しましたが、
婦人病に共通するのは、ホルモンの働きです。
乳ガンや更年期障害も根っこは同じもので、
すべてつながっている病気と考えなければなりません。
ホルモンバランスが崩れるのは、主にライフスタイルの乱れとストレスが原因です。

人間の体は精神と神経が支配しています。
非常に微妙なバランスのうえに成り立っており、
ひとたび壊れてしまうと免疫機能にまで影響が及び、
人間は様々な病気に対して無防備になってしまうのです。
今回説明した婦人病と同じような仕組みで、男性にも起こる病気だってあります。
ですから、女性にのみ起こる特有な症状と考えるのではなく、
ホルモンバランスの重要性は、すべての人が自覚しておくべきでしょう。

個人情報に関して適用される法令を遵守しています。喜びの体験談はご本人の同意の上採用させていただいておりますが、万全を期して個人を特定できないように仮名にて掲載させていただいております。個人の感想です。

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