仲野義康先生に「花粉症」ついて語っていただきました。
| 花粉症
花粉症になると、普通の人は耳鼻科へ行きます。しかし私は、そこから間違いが始まっていると思います。どうして花粉症を、鼻の病気と決め付けるのでしょうか。
患者さんの選択が難しい病気は、他にもあります。例えば帯状疱疹。最初は水疱ができるので、皮膚科に行く人が多いです。神経の病気だと分かってから神経内科へ移り、痛みが残ると慌ててペインクリニックという具合に、病院を渡り歩きます。問題なのは、同じ病気であるにもかかわらず、それぞれの段階で治療法が異なることです。やはり根本を探って、本質的なところを治療しなければなりません。
では、花粉症の本質とは何でしょうか。どんな医者もアレルギーと言いますが、教科書通りに説明するのは簡単です。理屈だけでなく、どういう人がアレルギーになるのかを、考えて欲しいと思います。例えば、アレルギーの代表は、アトピーや喘息で困っている子供たちです。いろんな子供を診て、気付いたことがあります。アレルギーになる子供たちは、必ずその原因にストレスがあります。では、ストレスをうむ要因は何だと思いますか。
答えは親です。もっと詳しく言えば夫婦です。子供は正直ですから、「お父さんとお母さんは、いつも仲が良い?」と聞けば、素直に「良くないよ。ケンカばかりしている」と答えます。アレルギーを持っている子供は、不思議なくらい、みんな親の仲が悪いのです。いつも親の顔色を覗い、怯えている環境が、子供にとって好ましくないのは言うまでもありません。
もう少し詳しく、ストレスの話をしましょう。もともと人間も動物ですから、外敵に襲われたとき、身を守るための機能が備わっています。それが交感神経と呼ばれるもので、体にある種の緊張状態を作り、生き延びるための防御をします。かつては人間を守った機能ですが、これが現代社会では、過剰反応を起こしているのです。休まる暇なく、四六時中、外敵から襲われたときのように、交感神経が優位な状態にあります。
いつも交感神経が優位でいると、不要な緊張状態が続く訳ですから、いろんな病気になるのは当然です。アレルギーも、その一つということになります。免疫機能だって、本来は人間を守るためのもの。しかし過剰反応により、結果として逆に、自分の体を攻撃している訳です。要するに現代人は、自己防衛のストッパーが壊れているのです。
なぜ、こうなるかというと、ストレスを回避するための方法を、しっかり学んでいないからです。かつては子供の頃、知らぬ間に身に付けていた知恵が、無くなってしまいました。このあたりのことは、後ほど特別コラムとしてまとめています。そちらも読んで、子供のいる方は実践してください。
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鼻だけでなく、体の根本から考えることを指摘したうえで、治療法をお話します。私は花粉症の患者さんに、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)という漢方をだしています。この薬がどういう人に効くのか観察することで、花粉症という病気を理解できました。詳しく説明しましょう。
私は患者さんの耳(体温)と、鼻の温度を測定し、それぞれ比べてみました。以前にも述べたように、そもそも体温が低い人は病気です。花粉症の前に、体温をあげる治療をしなければなりません。では、体温が正常な人の中で、鼻の温度が高い人と、低い人がいます。どちらが花粉症に多いと思いますか?
正解は鼻の温度が低い人です。炎症を起こすから、温度は高いと思われたのではないでしょうか。確かに炎症であることに違いはないのですが、温度が低いのは、鼻の血液循環が悪くなっているからです。熱を持っているのではなく、血流が悪くなって腫れるから、鼻水が出てくる訳です。前述した小青竜湯は、水分バランスを整えながら、体を温めてくれる漢方です。だから、花粉症に効くのです。
ほとんどの花粉症は、体温が正常で、鼻の温度が低いというパターンです。こういう人には、抗アレルギー剤も使いますが、基本は小青竜湯で対応しています。毎年2月ごろ、花粉が飛ぶ数週間前から飲み始め、かなり症状を抑えることができています。
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初に説明したように、花粉症はストレスによる交感神経の過剰反応と密接に関わっています。そういう意味では、全身性の交流磁気治療で自律神経のバランスを整えることは、花粉症になりにくい、体の土台をつくることになるでしょう。何よりも全身の血流を良くして、体をリラックスさせることです。花粉症になってからというよりも、普段から使い続けて、全身のバランスを整えておくようにしましょう。
もう一つ、花粉症は鼻の血流が悪く、温度が低くなっていると説明しました。鼻に直接あてれば、交流磁気治療器の血流改善効果により、花粉症の症状を和らげてくれるのではないかと思います。私は顔面麻痺の治療で、直接あてていますが、症状がある鼻の局所的な血流を良くするために使うのも、効果的だと思います。
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花粉は昔から飛んでいるのに、どうしてアレルギー症状が増えているのでしょうか。最後にこの問題を考えてみましょう。その理由はいくつか指摘されていますが、最も大きな要因は、清潔な環境だと思います。きれいな環境になるほど、生体の抵抗力は落ちます。なぜなら、抵抗力は獲得していくものであるのに、その訓練ができなくなってしまうからです。
私たちが子供の頃は、野山を駆け回って、肥溜めに落ちても平気なものでした。体には回虫がいて、虫下しを飲んだ世代です。そういう環境で育ったから、抵抗力を獲得でき、今でも花粉症にならないのです。衛生学が間違っていて、きれいにすれば良いという訳ではありません。何でも除菌なんて言っているから、わずかな花粉の曝射にも過剰反応してしまうのです。
これはエコロジーと言いながら、そのために無駄なエネルギーを浪費しているのと似ています。一面だけを見てはいけません。最近は砂場まで除菌するそうですが、そんなに清潔な子供が大きくなったら、一体どうなるでしょうか。抵抗力を獲得していない人間ばかりになると、花粉以外に、いろんなものへ過剰反応するようになるでしょう。このままでは、もっとひどいアレルギー症状が、いつ蔓延しても不思議ではない状況です。
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現代の教育からは、「自分でものを考える楽しさ」が失われています。
いまの子供たちは、いつも受身k_10.gifで、自分でものを考える必要がありません。
そればっかり考えているから、常にストレスに晒されるのです。
やることがたくさんあって、情報も溢れているものですから、
受身になった子供は、いつも外から攻撃されている訳です。
子供を育てるというのは、本来、考える楽しさを教えてあげることです。
親にできるのは、そのための環境を作ってあげること。
私は10歳のとき、親元を離れて東京で暮らしました。
父親の教育方針でしたが、こうなると、すべて自分で考えざるを得ません。
実は10歳というのがミソで、ここが教育における分岐点なのです。
ドイツでは、10歳のときに人生の選択をします。
このくらいから、ようやく言葉で教育できるようになります。
それ以前は、いくら言って聞かせても無駄。
言葉の教育に入る前の子供は、ただ親の真似をしているだけなのです。
つまり、正しい人間の姿をみせてあげるのが親の務めです。
夫婦ゲンカの話をしましたが、ここまで説明すれば、子供への害悪であることが分かるでしょう。
与える教育を続けていれば、いつも与えられるのが当然という、だらしない大人ができてしまいます。
自分でものを考えられない人間ほど、他人との比較が好きで、上昇志向が強い。
だから、たくさんストレスがたまるのです。
何事も受身にならず、自分を持って、自由に考えることを楽しんでください。
そうすれば力を抜くことができ、ストレスから開放されるでしょう。
どうか子供には、真っ白な時間と環境を作ってあげてください。
まだ到るところに自然があった昔の日本では、日が暮れるまで泥んこになって遊び、
そういう子育てをしてきたのです。
自分で考える楽しさを、小さい頃から自然に身に付ければ、
きっと社会のあり方も変わっていくでしょう。
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健康の秘訣も仕事と同様に危機管理
事前に手を尽くし体のトラブル回避
【花粉症】遠山良助 様(仮名)75才
茨城県取手市在住
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