交流磁気治療を中心に、食事や毎日の生活習慣、心のあり方などを含めて、総合的な健康創りをシリーズで考えています。日下医院の院長、日下史章先生にいく つか関心の高い症例を取り上げ、健康や医療を見つめ直していきたいと思います。今回は「リウマチ」について、お話しいただきました。

■日下史章(くさかちかあき)
昭和16年神奈川県生まれ。東京医科大学を卒業後、東京警察病院外科に入局。5年間勤務したのち、日下医院を開設した。平成2年に磁気医学物理療法研究所 を併設。8年には「帯状疱疹後神経痛(PHN)に対するパルス磁気療法及び全身性交流磁気治療の試み」で、医学博士号を取得している。

リウマチを関節の病気と思っている人は多いですが、症状の一つとして関節に
痛みが出てくるのであって、実際は全身の免疫異常によって起こります。
ただ、今もって、本当の原因は分かっていません。
何らかの理由で免疫異常がおこり、そこにさまざまな引き金が加わることで、
症状が出ると考えられています。

全国に60〜70万人の患者がいると言われていますが、そのうち8割が女性、
とくに30〜50代に多くみられます。
例えば、妊娠でホルモンの状態が変わってしまい、出産後になって
リウマチの症状が出たり、若いとき働きものだった人が、年をとってから
痛みはじめるというのも、私が診ている患者さんには多いです。

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リウマチ患者には、健康な人にはないリウマトイド因子という
自己抗体が見つかります。
本来、抗体は外から入ってきた異物に対して作られますが、
リウマチ患者には、健康な人にはないリウマトイド因子という
自己抗体が見つかります。
本来、抗体は外から入ってきた異物に対して作られますが、
リウマトイドのような自己抗体は、
自分自身の体を攻撃してしまうのです。
はじめに指などの小さな関節に痛みが出て、
だんだんと大きな関節へ移っていきます。
左右対称に痛みが出てくるのも特徴です。
局所的にみると、関節の滑膜が炎症をおこすことによって痛みを生じます。

リウマチは全身の病気ですから、関節以外にもさまざまな症状が伴います。
例えば、皮下結節といって皮膚の下に硬いしこりができたり、血管や目の炎症、
貧血などもあげられます。
とくに厄介なのは、胸膜炎や間質性肺炎など、肺に異常をきたすことです。
リウマチの患者さんには、ときどき肺のレントゲンを撮ったり、
変な咳をしていないか気をつけてあげないといけません。

リウマチの治療には、2本の柱があります。
一つは、痛みを和らげるための抗炎症療法。
もう一つは全身を活性化し、リウマチの進行をおさえる免疫療法です。
抗炎症療法に使うお薬は、ステロイド系と非ステロイド系に分かれます。
ステロイドの副作用はよく知られており、一度使うと抜け出すのが大変です。
外から入れてしまうと、副腎の働きが悪くなり
自分自身の体で作らなくなるため、いわば最後の手段となっています。

もう一方の免疫療法も、やはりお薬を使います。
免疫の機能を抑えたり、整えたりする訳ですが、こちらも副作用が強く、
医者にとって使いやすい薬ではありません。
現代の医学では、リウマチの因子を完全に取り除くことは不可能です。
進行を止め、病状の固定をめざします。
そのためリウマチでは「治癒」という言葉は使わず、
症状がおさまる「寛解」というふうに表現します。
原因もはっきりせず、治せない厄介な病気ですが、最良の方法は早期発見しかありません。

早期に適切な治療ができれば、リウマチの7割は寛解すると言われます。
つまり、症状を悪化させず、現状維持で踏みとどまれる訳です。
そのためには、リウマチの初期症状がどんなものなのか、
よく知っておく必要があります。

まず朝起きたとき、手の指がこわばったりするのはリウマチ特有の兆候です。
起きてから15分以上なおらない、こわばりが1週間以上も続くような場合は、
初期症状である可能性が高いでしょう。
もう一つ、全身には68の関節があり、そのうち3つ以上が同時に腫れ、
1週間以上続くような場合もリウマチを疑った方がいいでしょう。
このほか、臨床的に言うと最初に症状の出やすい場所があります。
例えば、手首、指の第2、第3関節、足首や足指の付け根です。
これらに該当するようなら、早めに病院へ行くようにしてください。

大学病院の外来などにたくさんいる症状の重い患者さんは、
医師からみても可哀そうになるくらい大変です。
病気よりも、きつい薬と闘っています。薬ばかりに頼っていられないので、
理学療法の出番がやってきます。
とくに交流磁気が良いのは、自分自身が持つ最大の治療薬である
ステロイドホルモンを、体の中でつくられるよう促します。
これにより、外から薬で補わなくても、体全体の免疫バランスを整えてくれます。

さらに、交流磁気そのものに関節の炎症をおさえ、痛みを鎮める作用があります。
また、リウマチの患者は、内臓の働きがおかしくなるため、造血作用も滞り貧血を起こします。
こういう症状に対しても、交流磁気は内臓全体を刺激することができますので、
ある意味では全身に作用する理想的な治療方法といえるでしょう。

免疫細胞の働きやステロイドホルモンの分泌を正常化することは、
人体で検証し学術論文としても発表されています。
また、8人のリウマチ患者に対し3カ月間、交流磁気治療を行った結果も報告されています。
日常生活における改善度を示すADLという指数が11ポイント減少。
さらに、関節の腫れなどをみるLansbury活動指数は、25%低下したというデータがあります。
リウマチのように治りにくい病気としては、かなり効果的な治療方法になると思います。

早期発見は、リウマチに限らず、すべての病気について言われることです。
体は異変を起こしたとき、必ず何らかのシグナルを出します。

ほとんどの病気は「気だるさ」から始まります。
2〜3日、気力がなくなるのは誰だってありますが、1週間以上も続くようなら注意が必要です。
「そろそろ回復してもいいのになあ」というとき、きちんと病院に行って調べるのか、
危険なシグナルをそのまま放っておくのかが、大きな分かれ道になってしまいます。

そんなとき、普段から全身を広く浅く診てくれる、かかりつけのファミリードクターを
持っておくと便利です。
そこでスクリーニングをして、「もしかしたらこんな病気かもしれない」と、
専門医を紹介してもらうのが理想的でしょう。
ほんのちょっとしたことでもいいから、面倒くさがらずに健康相談だと思って行くことです。
自分の体を分かってくれる医師を持つことが、病気を早期に発見する第一歩かもしれません。

もう一つは、何といっても家族の目です。
「お父さん何か最近おかしいよ」という一言が、体の異変に
気付くきっかけになることは多いのです。
すべての病気に共通する早期発見には、健康に対するあなた自身の心がけと、
医師や家族など、あなたをみている周囲の人たちの協力が必要になるでしょう。

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「磁気治療が好き!ー心にも体にも優しい免疫も高まるエネルギー療法」
日下史章先生 上村晋一先生著
永野剛造先生 要明雄先生 川本和久先生にもご協力いただきました。
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