磁気治療の歴史について様々な著作がありますが
日本における磁気治療研究の草分けである
医学博士 中川恭一先生の著作を引用しながら
磁気治療の歴史をたどってみたいと思います。

主に引用しましたのは『磁気と人間』(1983年 ㈱サン・エンタプライズ刊)です。
磁気治療の歴史に入る前に
著者 中川恭一先生についてご紹介いたします。

中川恭一先生 略歴
1942年9月 東京帝国大学医学部医学科卒業
1952年 医学博士の学位授与
1967年 いすゞ病院院長
1974年 「磁気と生体」研究会を発足
2001年 「磁気と生体」研究会を母体に「日本磁気医学会」発足 初代会長に
2007年 永眠

中川恭一先生著『磁気と人間』(P45-)より引用

「まず、紀元前100年にギリシャの医者Galenが、下剤として磁石を使ったと言
われている。しかし、ことのことに関しては伝説のような形で、そのようなこと
が伝えられているだけで、それ以上のことは詳かになっていない。したがって、
どのような方法で実施したのか、例えば、磁石の粉末のようなものを飲ませた
のか、それとも体の外から磁石を当てたのか、明らかではない。それよりも、
この時代には人工磁石は無かったはずであるから、一体、磁石とは何を指して
いたのか、全くわからないが、或いは磁鉄鉱のようなものであったかとも考え
られる」

Galenはゲーレン
色々と調べてみると、夏目漱石「我輩は猫である」の中に

「事件は大概逆上から出る者だ。
逆上とは読んで字のごとく逆(さ)かさに上(のぼ)るのである、
この点に関してはゲーレンもパラセルサスも旧弊なる
扁鵲(へんじゃく)も異議を唱(とな)うる者は一人もない・・・・・・」

とあり、中川先生のお話にはこの後、パラセルサス(パラケルスス)も登場するので
知らないのは私たちだけで、明治の教養ある人物は
よく知られた人物だったようです。

中川恭一先生著『磁気と人間』(P46-)より引用

「・・・・・・磁気治療の歴史は1000年以上も空白になっており、次のものとし
ては、紀元1000年まで一気にとんでいる。すなわち、アラビアの医師であり、
哲学者あでもあったAvicennaが肝臓病の治療に使用したということが記されて
いる。その次のものとしては、さらに約500年とんで1500年の初めの頃に、スイ
ス系のドイツ人で医師であり、錬金術師でもあったParacelsusが磁石をヘルニ
ア、むくみ、黄疸およびその他の病気の治療に使ったと記させている・・・・・・」

Paracelsusは、前述通り「我輩は猫である」にあるパラセルサスですが
「パラケルスス」と呼ぶのが一般的なようです。
1493年12月17日スイスに生まれ、1541年9月24日オーストリアで亡くなった
ルネサンス初期の医者であり、錬金術師だった人物で
錬金術師としてに知識を活かし、酸化鉄、水銀、アンチモン、鉛、銅、砒素、とくに亜鉛を
医学に応用したと言われています。

大変興味深いのは、パラケルススが
「人間そのものが小宇宙である」という人間観を持っていたことです。
原因はさだかではありませんが、
出身校のバーゼル大学を追放されたという経歴から察するに
正統医学の道を歩んでいたとは思えないパラケルススが
最先端の医学がようやく達した人間観を先取りしていたことに
驚かされます。

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