交流磁気治療を中心に、食事や毎日の生活習慣、心のあり方などを含めて、総合的な健康創りをシリーズで考えています。日下医院の院長、日下史章先生にいくつか関心の高い症例を取り上げ、健康や医療を見つめ直していきたいと思います。今回は「自律神経失調症」について、お話しいただきました。

■日下史章(くさかちかあき)
昭和16年神奈川県生まれ。東京医科大学を卒業後、東京警察病院外科に入局。5年間勤務したのち、日下医院を開設した。平成2年に磁気医学物理療法研究所 を併設。8年には「帯状疱疹後神経痛(PHN)に対するパルス磁気療法及び全身性交流磁気治療の試み」で、医学博士号を取得している。

とらえどころのない疾患の一つが、自律神経失調症です。
医者がよく分からないときは、自律神経失調症にしてまうと言われるくらいで、
患者さんの方も何となく納得してしまうようです。

自律神経とは、自分の意思では動かすことができない、
生きているから働いているようなものです。
心臓が休むことなく働いているのも自律神経の働きです。
アクセルとブレーキのように、相反する働きを持った「交感神経」と
「副交感神経」が、操り人形の糸をひっぱるような感じで作用しています。
あらゆる臓器が、この自律神経にくっついていて、
「交感神経」と「副交感神経」のバランスをとって働いています。

とくに女性の場合、このバランスが崩れやすいのですが、
まず自律神経のバランスがとれているのは、どんな人たちでしょうか。
体をよく動かす人、例えばスポーツ選手などは、バランスが良好に保たれています。
それから、お百姓さんや漁師さん。
自然と一緒にリズム良く生きている人に、自律神経失調症はほとんどありません。

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自律神経の統合中枢は脳にあります。
ここにはホルモンの中枢もあって、2つがうまく連絡をとりながら、
体全体をコントロールしています。
本来、人間の一日のリズムは、日の出と共に始まります。
人が朝日を浴びると目や皮膚にある光センサーがその刺激を脳の松果体に伝え、
ピッとスイッチが入るのです。

これにより、自律神経やホルモンの指令が全身に伝えられ、
体がきちんと働くようになっています。
日内変動といって、血圧が午前と午後では異なるように、

生体特有のリズムを作っているのです。
そして日暮れになると、光刺激が減少するため、
スイッチが休息モードに切り換わり、眠くなります。
人類は数百万年間、そんな生活のリズムを繰り返してきました。

 しかし、電気が発明されて夜も明るくなりました。文明が高度に発達してくると、仕事や娯楽も多様化してきます。夜更かして朝が遅くなり、きちんと太陽の光を浴びることが少なくなっています。これにより、1日のリズムが狂い始めました。当然、自律神経やホルモンの働きもおかしくなり、バランスが崩れる大きな原因となっています。昼も夜も関係なく働いているような人、例えばマスコミ関係者に自律神経失調症が多いのもそのためです。 もう一つ、バランスが崩れる理由として、ストレスがあります。前回の脳梗塞でも原因の一つにあげましたが、過度のストレスは諸悪の根源と考えてください。これも複雑になった現代社会が生み出したものと言えるでしょう。自然と一緒のリズムで生きていた頃には考えられなかった、さまざまなストレスに囲まれて私たちは生きています。いずれにせよ、自律神経失調症は、人間本来のリズムを狂わせてしまった、現代社会のツケと言っていいでしょう。

 自律神経失調症は、更年期障害の女性に多い不定愁訴の主な原因ですが、私はすべての病気の原因の一つと考えています。循環不全と、自律神経失調症があると、やがて慢性的な病気が現れます。ですから、バランスをとってやるのが一番の基本。あらゆる病気を治す基本なのです。
 交流磁気治療は、自律神経のバランスを整えるうえで、もっとも効果的に働く治療のひとつです。ハリでもできますが、ツボを正確にあてていかなければなりません。専門知識が必要ですし、手間もかかります。ところが、交流磁気治療なら、ベッドに寝ているだけですから、誰でも自然に自律神経のバランスを整えられます。
 どうしてバランスがとれるかというと、人間はもともと、地磁気を浴びて生きてきました。現代社会は、コンクリートや鉄に囲まれて、地磁気から遮断された生活を余儀なくされています。しかし、人間は裸足で大地を踏みしめ、地磁気を一杯に浴びながら生きてきました。磁気ベッドに寝ることで、それと同じ作用が働くからです。
 実際に私が診察した患者さんの例もお話ししておきましょう。たくさんの自律神経失調症を診てきましたが、日常生活に支障をきたし、ついには主婦の仕事もできなくなったため、離婚された方がいらっしゃいました。原因は仕事と生活環境からくるストレスでしたが、いつも神経が緊張し、頭痛、めまい、息切れ、動悸、吐き気などを訴えていました。夜は何度も下着を替えなければならないほど寝汗をかき、全身の硬直や疼痛のために不眠が続いていました。
 1年間、安定剤や睡眠薬などを服用し、神経科のカウンセリングなどを受けたものの、症状は改善しませんでした。その後、気功療法により、ある程度は日常生活ができるようになりましたが、たびたび強度の自律神経失調に陥ることがあり、通院を繰り返していました。この方に、はじめて30分ほど交流磁気治療を試してみたところ、直後に不定愁訴がまったくなくなりました。すぐに効果が出た例ですが、その後も交流磁気治療を続け、普通の生活ができるようになりました。

 ある大学の研究室で、落語を聞く前と後で免疫細胞を調べたところ、たくさん笑ったあとは、活性値が上がるという結果が発表されています。要するに楽しく生きるということです。ガンを笑って治そうという人たちだっています。心を楽しく持ち、常に感謝しながら、自然のリズムに沿って生きていれば、病気なんか治ってしまいます。悩みとか自分の思いが、病気をつくってしまうのです。
 とはいえ、笑って生きるのは難しいことです。私だって分かっているけど、なかなかできません。でも、まわりに一人くらいいますよね。あの人は、いつも笑っているという人が。皆さんは、一日どれくらい笑っているでしょうか。人に笑いかけるというのは大切です。笑いながら、「おはよう」と言ってみましょう。笑顔は相手に対する最高のおもてなし。そして、健康的に暮らす第一歩なのです。

個人情報に関して適用される法令を遵守しています。喜びの体験談はご本人の同意の上採用させていただいておりますが、万全を期して個人を特定できないように仮名にて掲載させていただいております。個人の感想です。

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「磁気治療が好き!ー心にも体にも優しい免疫も高まるエネルギー療法」
日下史章先生 上村晋一先生著
永野剛造先生 要明雄先生 川本和久先生にもご協力いただきました。
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