今回は「痛みの専門家」である、仲野医院の院長、仲野義康先生にご登場いただきました。
骨折でも磁気治療が効果的なようです。

■仲野義康(なかのよしやす)
昭和14年横須賀に生まれる。昭和39年三重大学医学部卒業・三重大学病院胸部外科入局。その後、東京白十字病院・北里大学病院麻酔科・国立療養所神奈川病院、麻酔科医長・横浜桐峰会病院を経て、昭和60年仲野医院開業。現在に至る。

人間の体には200個以上の骨があり、体を支えたり、
臓器を守ったりする役割を果たしています。
もう一つ、骨には血液をつくるという重要な働きがあります。
骨の空洞部を満たしている「骨髄」という組織では、
造血細胞によって血液が生成されています。
ですから骨は、絶えず新しく作りかえられ、
体の中でも活発に代謝が行われている場所のひとつです。

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骨の基本的な構造を、上の図に示しておきました。
骨は「骨膜」という黄白色の薄い膜で覆われており、ここに血管や神経が通っています。
つまり骨へ栄養を運んだり、神経の伝達経路として、
とても重要な役割を持っていることになります。
折れた骨がくっついて修復してくれるのも、この骨膜による働きなのです。

骨折が治らないというのは、簡単に言えば、骨膜に十分な血液が流れてこないからです。
図に骨折が治る過程を示してみましたが、「仮骨」といって骨の隙間を埋めてくれるのは、
血液が運んできた栄養分が基になっています。
年をとると、骨がくっつきにくくなるのも、骨への血流が大きく関係しています。

ケガや手術などで傷口を縫合する際、皮膚がくっつくというのと、理屈は同じことです。
血流が悪いと、皮膚も再生しません。
よく貧血の人はくっつきにくいと言いますが、それは間違いです。
貧血でも血流さえ良ければ、きちんと治ります。
まず最初に、骨の治療と血流には、密接な関係があることを理解してください。

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| 骨折

難治性の骨折に、交流磁気治療器が効果をあげるという研究は、
すでに学会などで何度も発表されています。
当院でも、治りにくい骨折に対して、効果のあった症例がいくつかありますので、
それをご紹介しましょう。

一つ目は、80歳くらいの女性でした。
膝関節の骨折で手術したものの、うまくいかず、息子さんが相談にこられました。
2度目の手術を薦められていましたが、今度も失敗したらどうしようかと悩んでいたようです。
私が交流磁気治療器を使ってみたらいいと言ったら、
2台ほど購入して、再手術を受けるのと同時に使い始めました。
今度の手術はうまくいって、その女性はまた歩けるようになったのです。
ご高齢の方でしたので、のちに別の病気で亡くなられましたが、
元気に歩けるようになったお礼にと、当院に治療器を寄付してくださいました。

もう一つの症例は、40代の男性でした。
腰痛で当院にこられたのですが、足にギプスをしていました。
「どうしたの」と聞いたら、「複雑骨折でなかなか骨がくっつかない」と言うのです。
骨折してから、もう3カ月以上経っていましたが、
「偽関節」といって、骨と骨の間に結合組織が入り込み、異常な可動性もみられました。
私はデータが頭に入っていたので、試しに交流磁気治療をやってみたらいいと薦め、
骨折した箇所をサンドイッチにして治療を続けました。
しばらくしたら、「骨がくっついたみたいです」と、不思議そうな顔をして
お礼を言いに来てくれました。

こうした症例も、すべては血流の改善により良くなったのです。
しかし現在の医学では、骨折の治療に対して、血流そのものを改善しようという発想が、
あまりないのも事実です。

骨折

交流磁気治療器の優れた点は、血流を改善し骨の癒合を促すだけでなく、
リハビリにも効果をあげることです。
それほど難しい骨折でない限り、整形外科ではなく、
当院でギプスを巻いて治療しています。
ギプスを巻いているときから、交流磁気治療を行いますが、
こうしておくと、とったあとにリハビリをする必要がありません。
レントゲンで治ったと確認できたら、せいぜい湿布を出すくらいです。

どうして骨折のあとにリハビリが必要なのでしょうか。
それはギプスで長時間にわたって固定したため、血液循環が悪くなっているからです。
もともと関節は、血流が良いところではありません。
ただでさえ血流が悪いのに動かさないのですから、なおさら悪くなってしまいます。
だから、骨はつながっても、リハビリをしないと、うまく関節が動いてくれないのです。

こうした考えに基づけば、ギプスをとる前から、
交流磁気をかける意味が分かってもらえるでしょう。
先読みをして、ギプスをしているときから、血流を改善しておく訳です。
そうすれば、はずしたときにリハビリをする必要はありません。
患者さんの時間と費用を節約している訳ですから、とても良いことだと思っています。

骨折

骨折とともに、多くの人が気がかりなのは、
骨粗しょう症をはじめとした骨の老化ではないでしょうか。
若い頃は骨芽細胞による骨の生成と、破骨細胞による吸収のバランスがとれ、
代謝も活発で常に新しい骨がつくられています。
ところが年をとると、代謝を支配するホルモンの分泌が変わってしまい、
破骨細胞による吸収の方が多くなってしまいます。
これにより骨量が減少しはじめ、骨自体がもろくなってしまうのです。

このほか、カルシウムや運動の不足などもあげられますが、
やはり年をとって骨がもろくなる人ほど、血流が悪いのも事実です。
皮膚がカサカサになったり、髪が白くなって抜けるのも理屈は同じです。
人間は血流がなくなって、栄養が行き届かなくなると死にます。
物事はすべてそうですから、交流磁気治療器による血流の改善が、
骨粗しょう症をはじめとした骨の老化防止に、効果をあげると言っていいのではないかと思います。

もう一つ、骨の老化で大切なことがあります。
それは筋肉です。人間が立っていられるのは、骨だけでなく筋肉の働きによります。
筋肉が衰えてくると、関節を支えきれません。
骨の老化を防ぐために、適度な運動が必要だというのも、筋力をつけなければならないからです。

何か一つだけをとっても、人間の体は理解できません。骨と筋肉は総合的なものです。
年をとって骨の弾力性がなくなれば、折れやすくなるのは当然ですが、
もう一つは筋力の低下が原因なのです。筋肉の強さを保っておけば、
そう簡単に骨は折れません。

骨折

交流磁気治療の本!2013年1月25日発売

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「磁気治療が好き!ー心にも体にも優しい免疫も高まるエネルギー療法」
日下史章先生 上村晋一先生著
永野剛造先生 要明雄先生 川本和久先生にもご協力いただきました。
コスモの本より  1200円+消費税