今回は「痛みの専門家」である、仲野医院の院長、仲野義康先生にご登場いただきました。
骨折でも磁気治療が効果的なようです。
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人間の体には200個以上の骨があり、体を支えたり、
臓器を守ったりする役割を果たしています。
もう一つ、骨には血液をつくるという重要な働きがあります。
骨の空洞部を満たしている「骨髄」という組織では、
造血細胞によって血液が生成されています。
ですから骨は、絶えず新しく作りかえられ、
体の中でも活発に代謝が行われている場所のひとつです。
骨の基本的な構造を、上の図に示しておきました。
骨は「骨膜」という黄白色の薄い膜で覆われており、ここに血管や神経が通っています。
つまり骨へ栄養を運んだり、神経の伝達経路として、
とても重要な役割を持っていることになります。
折れた骨がくっついて修復してくれるのも、この骨膜による働きなのです。
骨折が治らないというのは、簡単に言えば、骨膜に十分な血液が流れてこないからです。
図に骨折が治る過程を示してみましたが、「仮骨」といって骨の隙間を埋めてくれるのは、
血液が運んできた栄養分が基になっています。
年をとると、骨がくっつきにくくなるのも、骨への血流が大きく関係しています。
ケガや手術などで傷口を縫合する際、皮膚がくっつくというのと、理屈は同じことです。
血流が悪いと、皮膚も再生しません。
よく貧血の人はくっつきにくいと言いますが、それは間違いです。
貧血でも血流さえ良ければ、きちんと治ります。
まず最初に、骨の治療と血流には、密接な関係があることを理解してください。
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難治性の骨折に、交流磁気治療器が効果をあげるという研究は、
すでに学会などで何度も発表されています。
当院でも、治りにくい骨折に対して、効果のあった症例がいくつかありますので、
それをご紹介しましょう。
一つ目は、80歳くらいの女性でした。
膝関節の骨折で手術したものの、うまくいかず、息子さんが相談にこられました。
2度目の手術を薦められていましたが、今度も失敗したらどうしようかと悩んでいたようです。
私が交流磁気治療器を使ってみたらいいと言ったら、
2台ほど購入して、再手術を受けるのと同時に使い始めました。
今度の手術はうまくいって、その女性はまた歩けるようになったのです。
ご高齢の方でしたので、のちに別の病気で亡くなられましたが、
元気に歩けるようになったお礼にと、当院に治療器を寄付してくださいました。
もう一つの症例は、40代の男性でした。
腰痛で当院にこられたのですが、足にギプスをしていました。
「どうしたの」と聞いたら、「複雑骨折でなかなか骨がくっつかない」と言うのです。
骨折してから、もう3カ月以上経っていましたが、
「偽関節」といって、骨と骨の間に結合組織が入り込み、異常な可動性もみられました。
私はデータが頭に入っていたので、試しに交流磁気治療をやってみたらいいと薦め、
骨折した箇所をサンドイッチにして治療を続けました。
しばらくしたら、「骨がくっついたみたいです」と、不思議そうな顔をして
お礼を言いに来てくれました。
こうした症例も、すべては血流の改善により良くなったのです。
しかし現在の医学では、骨折の治療に対して、血流そのものを改善しようという発想が、
あまりないのも事実です。
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交流磁気治療器の優れた点は、血流を改善し骨の癒合を促すだけでなく、
リハビリにも効果をあげることです。
それほど難しい骨折でない限り、整形外科ではなく、
当院でギプスを巻いて治療しています。
ギプスを巻いているときから、交流磁気治療を行いますが、
こうしておくと、とったあとにリハビリをする必要がありません。
レントゲンで治ったと確認できたら、せいぜい湿布を出すくらいです。
どうして骨折のあとにリハビリが必要なのでしょうか。
それはギプスで長時間にわたって固定したため、血液循環が悪くなっているからです。
もともと関節は、血流が良いところではありません。
ただでさえ血流が悪いのに動かさないのですから、なおさら悪くなってしまいます。
だから、骨はつながっても、リハビリをしないと、うまく関節が動いてくれないのです。
こうした考えに基づけば、ギプスをとる前から、
交流磁気をかける意味が分かってもらえるでしょう。
先読みをして、ギプスをしているときから、血流を改善しておく訳です。
そうすれば、はずしたときにリハビリをする必要はありません。
患者さんの時間と費用を節約している訳ですから、とても良いことだと思っています。
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骨折とともに、多くの人が気がかりなのは、
骨粗しょう症をはじめとした骨の老化ではないでしょうか。
若い頃は骨芽細胞による骨の生成と、破骨細胞による吸収のバランスがとれ、
代謝も活発で常に新しい骨がつくられています。
ところが年をとると、代謝を支配するホルモンの分泌が変わってしまい、
破骨細胞による吸収の方が多くなってしまいます。
これにより骨量が減少しはじめ、骨自体がもろくなってしまうのです。
このほか、カルシウムや運動の不足などもあげられますが、
やはり年をとって骨がもろくなる人ほど、血流が悪いのも事実です。
皮膚がカサカサになったり、髪が白くなって抜けるのも理屈は同じです。
人間は血流がなくなって、栄養が行き届かなくなると死にます。
物事はすべてそうですから、交流磁気治療器による血流の改善が、
骨粗しょう症をはじめとした骨の老化防止に、効果をあげると言っていいのではないかと思います。
もう一つ、骨の老化で大切なことがあります。
それは筋肉です。人間が立っていられるのは、骨だけでなく筋肉の働きによります。
筋肉が衰えてくると、関節を支えきれません。
骨の老化を防ぐために、適度な運動が必要だというのも、筋力をつけなければならないからです。
何か一つだけをとっても、人間の体は理解できません。骨と筋肉は総合的なものです。
年をとって骨の弾力性がなくなれば、折れやすくなるのは当然ですが、
もう一つは筋力の低下が原因なのです。筋肉の強さを保っておけば、
そう簡単に骨は折れません。
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「磁気治療が好き!ー心にも体にも優しい免疫も高まるエネルギー療法」
日下史章先生 上村晋一先生著
永野剛造先生 要明雄先生 川本和久先生にもご協力いただきました。
コスモの本より 1200円+消費税