きだ整形外科(三重県四日市市)の来田治院長にご登場いただきました。
長年に渡り、治療の一環として交流磁気を取り入れてこられた来田先生に、量子論などに基づいた人体への作用や、臨床的な観点から有効性が高い「頚椎挫傷」の治療について、詳しくお話していただきました。

kida.jpg
■来田治(きだおさむ)
昭和10年、三重県生まれ。名古屋大学医学部を卒業したのち、同大学整形外科学教室に入局。県立多治見病院や市立四日市病院など公立病院の勤務を経て、昭和46年、四日市市にきだ整形外科を開業した。

最初に交流磁気治療器の有効性について、私の考えを説明しておきたいと思います。
最先端の科学である量子場の理論では、体を構成する細胞は、
電磁場と水の電子双極子の凝集場であると考えます。
難しい表現になりましたが、生命とは凝集場のつくるダイナミックな
秩序が保たれた状態をいい、これが崩れることにより、
様々な体の不調がおこります。

例えばガン細胞は、許容される範囲を超えて、秩序が崩れた状態です。
ストレスをはじめとした外的環境により、人体の秩序を乱すことが多いのですが、
再び調和のとれた状態に戻す方法のひとつが、交流磁場による物理療法だと考えています。
50サイクル、または60サイクルという交流磁場を当てることにより、
人体の70%を占める水の電子双極子の場や、電磁場に作用して位相変換をおこす。
つまり、乱れた波を、秩序のある波に変える役割があるのではないかと考えています。

ノーベル賞学者であるプリゴジンは、「混沌から秩序が生まれる」という、
現在の宇宙論の根拠になる本を書いています。
彼の唱えた散逸構造論では、ひとつの事象が終局するころには、
別のところで新たな秩序が生まれる。
あらゆる事象は、混沌としたものの中から、最終的に秩序ある状態に
まとまっていくという考えを示しました。
乱れた散逸構造から秩序に向かっていくというのは、交流磁気治療器についても、
当てはまるのではないかと思います。

人間の体は、電気的な作用で様々な細胞が相互につながり、
とても複雑な働きをしています。
その電子伝達の経路に対しても、交流磁場を与えることで
有益な変化を起こすのではないかと推測しています。
このように最先端の科学理論は、交流磁気の効用を考えるうえで、
さまざまな示唆を与えてくれます。
いずれにせよ、私たちは地球の磁場という環境に生きています。
その中で調和や秩序を保つことが大切になるでしょう。

kei_1.gif
首の骨は頚椎と呼ばれ7個の骨からなります。
頚椎に存在する頚髄は脳の指令を全身に伝え、
同時に末端からの刺激を脳へ伝える
神経節(脊髄)があります。
頚椎には末梢神経の出口がたくさんあり、
同時に頭蓋骨より下る脳神経である自律神経などが
頚の血管(椎骨動脈)にまとわりついて存在します。
加齢等により起こる骨の変形や外からの強い衝撃により、
頚椎や末梢神経に障害を受けると腕の運動障害や
肩や頚のコリや痛み、脱力又は運動麻痺等の原因になります。自律神経に障害がある場合、嘔気やめまいやふらつきや
視力障害などの不定愁訴が起こります。

具体的に「頚椎挫傷」と交流磁気治療のお話をさせていただきます。
あまり良い表現ではありませんが、かつては交通事故等による「ムチ打ち」と呼ばれた症状で、
今ではバレーリュー症候群や外傷性頭頚部症候群などと言っています。
頭が重くなったり、めまいがしたり、耳鳴りや体のふらつきなど、
神経系に対して悪い影響を及ぼす症状です。

頚椎を通る脳神経は、喉から胸、胃を通って骨盤(腰部交感神経叢)まで達しています。
また、目や耳を含めた脳に繋がっており、これが交通事故のショックなど外的要因により、
刺激されて不調をきたすのを、広い意味で「脊椎挫傷」(脳脊髄症状を伴った)と呼んでいます。
治療は神経系の調和を取り戻すのが基本方針になる訳ですが、
交流磁場をあてることにより、症状が改善するケースはたくさんあります。
いくつかの症例をご紹介しましょう。

【60代・女性】
この患者さんは完治まで6カ月かかりましたが、本当に治るのだろうかと不安を抱えていました。
レントゲンをみると、頚椎の椎間板に既往症があり、こういう場合は確かに治りづらいのです。
事故に対するショックもあり、頭痛や不眠も訴えていました。
2〜3カ月くらいして、首から頭に交流磁気をかけはじめ、
1カ月くらいで楽になったということでした。
食事療法も重要で、活性酸素を抑える食材を摂ったり、タンパク量を増やすように指導しました。
今では症状も安定し、お仕事にも復帰されています。

 【40代・女性】
自分の体に対する不安が大きく、めまいでフラフラになるといった症状を訴えていました。
この患者さんは磁気が体の中に入り、回っているのが分かるそうで、
治療後は湯あたりしたみたいになり、しばらくすると楽になるとおっしゃっていました。
3台の治療器を購入し、自宅でも使われていました。
このようにメニエル氏病や椎骨動脈の症状が強い人にも、交流磁気は有効だと思います。

 【20代・男性】
この患者さんは重傷で、陥没骨折や顔面神経麻痺に加え、三半規管までが破壊され、
手術を受けていました。他の病院では手に負えなかったようで、ご本人がとても神経質になり、
毎日怒っているような状態でした。
入院をして完治までに1年近くかかりましたが、根気よく交流磁気治療などを続けた結果、
多少のふらつきが残っている程度で、もう通院はしていません。

 【60代・男性】
この方は大工さんで、フェンスに落下し大怪我をおいました。
手に力が入らず、自暴自棄になり、治療にも随分てこずりました。
他の病院では首が悪いと診断しなかったようですが、頚椎損傷に近いような状態にあり、
気・血・水のバランスをとることや、食事指導、交流磁場の治療を組み合わせ、
再び大工の仕事ができるところまで回復しました。

ここにあげた最近の症例だけでも、比較的軽い症状から、
重度で治療が難しいものまで、交流磁場を中心とした治療で幅広い効果をあげています。

頚椎挫傷に対して、交流磁場が効果をあげる理由は、まず末梢の血流改善、
とくに脳脊髄内の血流を改善し、自律神経の失調を整えてくれることがあげられると思います。
また体の中で乱れた波を、交流磁気の調和のとれた波でシンクロナイズ(同調)してくれる。
これにより、気分的にも良くなるのでしょう。

私は患者さんの心の波に合わせて、治療をすべきだと考えています。
患者さんの気分が良くないとき、無理をして治療するのは避けるようにしています。
徐々に慣らしていくというのも治療の中では大切なことで、交流磁気も、
短い時間から少しずつ伸ばしていきます。

水が怖い人に、いきなり水泳を楽しめといっても無理な話で、
治療のスタートでは馴染ませることに重点をおきます。
あらゆる治療について言えますが、患者さんの体が拒絶することはやらない。
それが私の基本的な姿勢です。

交流磁気治療の本!2013年1月25日発売

アマゾンからご購入いただけます。

「磁気治療が好き!ー心にも体にも優しい免疫も高まるエネルギー療法」
日下史章先生 上村晋一先生著
永野剛造先生 要明雄先生 川本和久先生にもご協力いただきました。
コスモの本より  1200円+消費税