交流磁気治療を中心に、食事や毎日の生活習慣、心のあり方などを含めて、総合的な健康創りをシリーズで考えています。日下医院の院長、日下史章先生にいく つか関心の高い症例を取り上げ、健康や医療を見つめ直していきたいと思います。今回は「腰痛」について、お話しいただきました。

 ■日下史章(くさかちかあき)
昭和16年神奈川県生まれ。東京医科大学を卒業後、東京警察病院外科に入局。5年間勤務したのち、日下医院を開設した。平成2年に磁気医学物理療法研究所 を併設。8年には「帯状疱疹後神経痛(PHN)に対するパルス磁気療法及び全身性交流磁気治療の試み」で、医学博士号を取得している。

| 腰痛

年齢を重ねて中年以降になると、誰でも
腰が重い、腰が痛いといった経験は、あると思います。
軽い腰痛から、ギックリ腰、坐骨神経痛に至るまで、
元の原因は同じと言っても過言ではありません。
人間は二本の足で歩くことによって、背中や腰の筋肉がいつも緊張しています。
さらに人間は、1.3キロもある脳や上体を支えるため、
余計な緊張を強いられています。
普通に立ったり、正座したり、膝を伸ばして寝ているときでさえ、
腰の筋肉は常に緊張していると言えます。

 

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現代社会では、運動不足による肥満と筋力の低下が、
腰痛の原因になっていると言われています。
またイスの生活や悪い姿勢を続けることも原因と言われていますが、
これだけが原因であると言い切れないのも腰痛です。
今回はその腰痛の中でも、急速に増加している「脊柱管狭窄症」を取り上げてみました。
平均寿命が延び、長生きすることで、この病気に悩まされているお年寄りが増えてきています。

では最初に脊柱管狭窄症がどのようにして起こるのか、
骨と神経の関わりから、みておきたいと思います。
脊椎とは、頭蓋骨の真下から尾骨に至る背骨の部分で、
体を支えるだけでなく、
脊髄など大切な神経を保護する役割も果たしています。

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脊椎が器質的変化を起こす主な要因には、変形性脊椎症や椎間板ヘルニア、
脊椎骨粗鬆症、脊椎分離・すべり症などがあげられます。
腰痛だけでなく、下肢痛や知覚異常によるシビレといった症状があり、
神経が圧迫されるため大変な苦痛を伴います。
頑固な痛みが、なかなかとれないのも特徴で、
帯状疱疹後神経痛と同じように治療の難しい疾患です。

もう一つ脊柱管狭窄症に特徴的なのが、歩き続けると痛みやシビレが生じ、
しばらく休んだら、また歩けるようになることです。
これを神経性間欠跛行と呼びます。
交流磁気が、効果を発揮する理由にも少し関連するので、
理由を説明しておきましょう。
運動の特性上、歩くときには必ず腰をひねるようになっています。
ところが脊柱管が狭くなっていると、腰をひねったときほど、神経や血管がきつく圧迫されます。
歩くのをやめて体を前かがみにすると、脊柱管への圧迫が緩んで
血流や神経の働きが元の状態に戻り、また歩けるようになるのです。

一般的な治療としては、まず患部を保存したままで、
消炎鎮痛剤や神経ブロック注射などによる薬物療法を行います。
これで効果が出る場合もありますが、長期間に渡る治療で薬物が効かなくなったり、
排尿障害が出たりすると、最終的に手術を選択しなければなりません。
神経を圧迫している脊椎の骨を削ったりして、物理的に原因を取り除きます。

もともと高齢者に多い症状ですから、術後にベッドで寝たきりにするのは、
体の機能全般を低下させるリスクがあります。
さらに手術を行っても、長い間圧迫され機能障害を起こしている
神経組織はすぐに回復せず、その後も長いリハビリが必要です。
医師としては、なるべく手術を選ばず、
保存的治療で症状を悪化させないようにしたいと考えます。

| 腰痛

当院では保存的治療の一つとして、これまで交流磁気治療を積極的に取り入れてきました。
交流磁気治療を補完的に行うことで、手術をしなくて済んだ例はたくさんあります。

骨の器質的な変形がそのままで、どうして痛みをはじめとした症状が改善するのか、
不思議に思われる方も多いでしょう。
交流磁気がどのように作用するのか、その仕組みを説明しておきます。

骨の変形で圧迫されている患部は、血流が阻害されて、
神経組織がむくんでいます。
このむくみにより、さらに圧迫がきつくなるという悪循環に陥り、
痛みをはじめとする症状が悪化していくのです。
交流磁気をかけることにより、まず神経組織の血流を改善してくれ、
悪循環の要因だった、むくみを取り除いてくれます。
これにより、圧迫の刺激が緩和されて、痛みが軽減したり、
歩けるようになったりする訳です。

しばらくすると調子が悪くなる場合もありますが、
同じように交流磁気治療を繰り返すことで、また症状が楽になります。
こうやって手術を避けながら、何とか悪化させず
症状をもたせることができた患者さんは、たくさんいます。
脊柱管狭窄症の保存的治療に理学療法も用いられていますが、
交流磁気治療の有効性は、十分な数とデータで確認されています。

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腰痛の原因に関わらず、効果をあげる交流磁気治療の方法を紹介します。

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●腎兪(じんゆ) 大腸兪から指幅三本上の所(おへそと同じ高さ)にあります。
●志室(ししつ) 腰のくびれたあたり、へその高さで、背骨から左右に指3本くらいのところ。腎兪より指1本分外側にあります。
●大腸兪(だいちょうゆ) ちょうどウエストベルトの高さ(腰骨の左右を結ぶ高さ)で、背骨から指2本分外側の所にあります。腰に手を当てて、親指で押すと、ジーンと効いてくる感じがする所です。
●胞肓(ほうこう) 臀部、第2正中仙骨稜の下の外方、指4本分のところにあり、この部分は大殿筋の起始部に当たります。この胞肓は、婦人科疾患に特に効果 があり、生理不順、生理痛、子宮内膜炎、子宮後屈の初期には良く効くツボです。
●環跳(かんちょう) お尻の横、股関節部で股関節の外側にできる横絞の外端です。腰痛や座骨神経痛など、腰からお尻、股関節の血流を改善することで効果 を上げます。
●委中(いちゅう) 膝の裏の真ん中辺りです。委中は腰痛治療の代表的なツボで、特に急性の腰痛時には、押すとかなり痛いそうです。

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始皇帝が探した不老長寿の薬だと思った
行きはタクシーでも帰りは駅まで歩ける

石田敬三様82才(仮名)
東京都中野区在住

 石田さんが初めて腰の違和感に気付いたのは、もう20年以上も前のことになります。定年退職を間近に控えた頃で、歩いているとき、右の腰あたりに痛みを感じたそうです。何でもないところで、いきなり転んだりするのが続いたため、懇意にしている先生のところで、診てもらうことにしました。今から思えば、あれが最初の宣告だったという当時を、石田さんに振り返っていただきました。
 「よく知っている医者でしたが、そのときは何も、病名を聞かせてもらえませんでした。今は大丈夫だけど、段々ひどくなるだろうから、そのときは手術に来なさいとだけ言われました。当時はゴルフにもよく行ってましたし、たまに症状が出る程度なので、それほど気にかけていた訳ではありません。痛みが本格的にひどくなったのは、10年くらい前からでしょうか。歩いていると右足がしびれて、少し休むと、とりあえずは楽になっていました。5年ほど前からは腰の痛みも激しく、両足とも不自由になり歩くのが辛かったです。家の中では、這いつくばっていました」
 症状が徐々に悪化する間、石田さんも腰を治すために、様々な努力を重ねていました。病院だけでなく、カイロや接骨院、鍼なども試しました。しかし、どれも期待するような効果は続かず、良くなる兆しは、ほとんど無かったとおっしゃいます。
 「いつも通っている内科は休めばいいと言うだけで、外科を受診しても、電気をかけてくれる程度です。冬場になると、血流が悪いせいで、右足の先が紫色に変色していました。家内に薦められて鍼治療にいくと、それは腰が悪いからと説明され、長い鍼をうたれました。これが本当に辛くて、さんざん痛い思いをしました。家内には効果があって今でも通っていますが、私の腰痛には、それほど効き目がなかったように思います」
 様々な治療を試みた石田さんが、日下診療所を訪れたきっかけは、交流磁気治療器を愛用している、娘さんからの紹介でした。東中野の自宅から電車を乗り継ぐと、階段の昇り降りが何度もあり、通院するだけでひと苦労でした。最寄りの南千住の駅からは、わずか数分の距離ですが、疲れ果てて駅から診療所までタクシーを利用したそうです。今でも鮮明に記憶しているという初めての体験を、石田さんに語っていただきました。
 「とにかく、びっくりしました。秦の始皇帝が探し求めた不老長寿の薬は、これのことじゃないかと思いました。交流磁気のベッドに寝ながら、オゾンの点滴をしていただきましたが、体がびっくりするくらい動くようになったんです。帰りはタクシーなんか乗らず、ピンピン歩いて駅まで行きました。今でも月に1回は、必ず治療をしていただいています。私のような年寄りには、こういう体への負担の少ない治療が、ぴったりだと思います」
 オゾンと交流磁気の治療をはじめてから、近くの総合病院へ、検査入院することがありました。そのとき石田さんは、腰のMRI画像を見せてもらったそうです。腰部の脊椎が狭窄し、神経が途切れ途切れになった、典型的な脊柱管狭窄症で、お医者さんから手術を薦められました。しかし石田さんは様々なリスクを考えて、断ることにしました。
 「80歳を超えても胃腸は丈夫ですし、何でも美味しく食べることができます。腰から下に不自由はありますが、上半身の筋肉は、この年にしては衰えていません。手術にもリスクはありますし、術後にずっとベッドで寝ているのを考えると、筋力が弱くなってしまうのではないかと、不安を感じました。その先生は手術させたいようでしたが、嫌だと言って逃げてきました」
 頻繁に日下診療所に通うのは難しいため、昨年からは自宅で、交流磁気治療器を使うようになりました。毎晩8時には寝て、4時に起きる規則正しい生活を送られていますが、タイマーを入れて、夜中に50分ずつの治療を、自動的に繰り返しています。毎日、愛用し続けるうちに、どんな変化があったのか伺ってみました。
 「以前は朝方になると、血流が悪いせいなのか、よく膝から下が突っ張っていました。足が硬直して、飛び上がるほど痛いんです。それが交流磁気治療器のベッドで寝るようになってから、ぴたりと止まりました。ごくまれに症状がでることもありますが、そのときは決まって、治療器が動いていないときです。朝までぐっすり眠れますし、とても助かっています」
 もうひとつ、石田さんは昨年から、朝の散歩を始めました。雨の日を除いて、毎朝5時半には、近所の神社までゆっくりと歩くそうです。適度な運動を続けることにより、石田さんは意外な効果があったと言います。
 「神社まで、ちょうど2千歩くらいです。歩行器につかまって、小さな歩幅ですが、歩いています。家の玄関から道路に出るのに階段もあるんですけど、上半身の筋肉は強いので、手すりをつかまれば自力で上り下りができます。散歩を始めてから、2ヶ月くらいたって鍼の先生が驚いたような様子で、私の両足のむくみが、すっかり無くなったとおっしゃるんです。先生は奇跡的だと言うので、これからも散歩は続けていきたいと思います」
 オゾンと交流磁気の治療に、適度な運動を加えることで、石田さんは脊柱管狭窄症の手術を避けながら、生活の質を維持しています。様々な治療法を試した経験を踏まえて、大自然のエネルギーを活用した新しい代替医療に、どんな魅力を感じたのか語っていただきました。
 「あらゆる生物はオゾンと磁気に包まれて生きてきた訳ですから、人間には分からないけど、どこかで自然のエネルギーに支えられているのだと思います。体への負担が少なく、いつの間にか知らないうちに効果がある治療とめぐり会えたことに、すごく感謝しています。とくに老化の予防には最適でしょう。私は老化による腰部の脊椎が狭窄しているだけで、あとは健康そのものです。オゾンや交流磁気で治療してから、血色も良くなり、体が柔らかくなりました。もっとたくさんの人が、積極的に活用していくべきだと思います」

| 腰痛

交流磁気治療の本!2013年1月25日発売

アマゾンからご購入いただけます。

「磁気治療が好き!ー心にも体にも優しい免疫も高まるエネルギー療法」
日下史章先生 上村晋一先生著
永野剛造先生 要明雄先生 川本和久先生にもご協力いただきました。
コスモの本より  1200円+消費税